婚約指環は手錠の代わり!?
いつものように一緒にお風呂に入り、髪を乾かしてもらいながらスパーリングウォーターを飲む。

「海瀬課長と新橋さんって、昔付き合ってたんですね」

ぴくん、一瞬だけど海瀬課長の手が止まった。

「それがどうした?」

「元カノだからって、いろいろ頼むのはどうかと思いますよ」

ブゥーン、ドライヤーのスイッチが止められて、不満そうに顔を見られた。

「あいつだったら気兼ねなく頼めるし、それに嫌がってなかったが」

「海瀬課長はもうちょっと、女心を理解した方がいいです。
私がどれだけ、不安だったかわかりますが?」

「……それは」

珍しく、がっくりと肩を落としてうなだれてしまった海瀬課長が可愛くて、思わず自分からちゅっと口づけした。

「別に怒ってないですよ」

唇が離れると目があって、海瀬課長の両手が私のあたまを掴む。

ちゅっ、再び重なった唇。

離れると目があって口端だけでふっと笑う。
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