婚約指環は手錠の代わり!?
ちゅっ、ちゅっ。

ふれては離れ、離れてはふれ。
何度も何度も繰り返し、そして。

「海瀬、かちょうっ」

燻り始めた身体で、見上げる。
でも、薄く笑ったままで欲しいものはくれない。

「海瀬っ、かちょうっ」

「違うだろ?」

頬を撫でた手が、親指で私の唇をなぞる。

違うって、なにが?

考えても思考のままならないあたまではわからない。

「わからないのか?」

――一翔。

耳元で囁かれた言葉に、一気に身体中に熱が駆け巡る。

「ほら、云えよ。
一翔」

「か」
< 135 / 136 >

この作品をシェア

pagetop