婚約指環は手錠の代わり!?
「……待て」

ばつが悪くてそそくさと帰ろうとしたものの、呼び止められてぎくりと肩が揺れた。

「どうやって帰るんだ?
バスも地下鉄も終わってる」

「タ、タクシーで」

……何時?
いまいったい、何時なの!?

「へえ。
繁華街でもないのに、こんな時間にタクシーが拾えるとでも?」

「呼びますから、タクシー」

慌ててバッグから携帯を出すと、無情にも……充電切れ。

「その……。
タクシー、呼んでもらえないですか?」

「どうして僕が?」

にやにやと意地悪く笑ってる海瀬課長にむっとした。

確かに自分の失態が招いてしまった結果だが、そんな意地悪する必要ある?

「じゃ、じゃあ、歩いて帰り、ます」
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