不機嫌なカレと秘密なつながり
「お前みたいな男を見ると、俺は腹立たしいんだよ」

勇人さんはまた岸沼先生を蹴った

「自分がモテないからってなあ。他人を脅してまで、性交渉をしようと思うな! 昨日は楽しい想いをしたのだろう? 今日は俺がたっぷりと地獄を味あわせてやる。大丈夫だ。時間がたてば、天国が垣間見えるだろう」

勇人さんは長い足で、地面に倒れこんだ岸沼先生を跨いだ

首根っこ掴むと、ずるずると引きずって歩き始める

「ほら、来いよ。のろのろ歩いてんじゃねえ!」

「あ…あの、勇人さんっ」

あたしは勇人さんを追いかけると、勇人さんの腕をそっと触った

「こんな男に情けをかける必要はない。それとあと一つ…俺は海堂という男も気に入らねえんだ。とりあえず、今回は見逃してやる。昨日、寝ずに走り回っていたみたいだから…な。後日、きちんと挨拶に来ると言っておけ」

勇人さんがにっこりと笑うと、顔に痣をつくった岸沼先生を引きずりながら校舎から離れて行った

お…驚いたぁ

こんなところに勇人さんが来るなんて、思いもしなかった

「…て、あれ? なんで勇人さんが、岸沼先生のしたことを知ってるの?」

あたしが首を傾げながら、勇人さんを見送っていると、「あいつ、姫歌の何?」と怖い形相の彰汰が駆けつけてきた
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