不機嫌なカレと秘密なつながり
最悪だ

会いたくない女に会うなんて

サッカーの練習する気が一気に失せた

部室に戻ると、力任せにロッカーを開けた

がたんと扉が、となりのロッカーにぶつかった

「彰汰、あなたに首にされて、私すごく苦しんだのよ」

嫌な声が背後からしてきた

女の爪がジャージの上から、背中を這って行くのがわかる

「首にされて当たり前のことをしたくせに」

「だってあなたがいけないのよ。あんな乳臭い小娘を選ぶから」

俺の両肩に、女の湿った手が触れた

「俺に触るな! 吐きが気する。その香水の匂いも、化粧の匂いも、赤い口紅も…俺が嫌いなモノばかりだ」

俺は麻耶を睨みつけるとジャージのまま、部室を飛び出した

気持ちが悪い

吐き気で、頭がくらくらする

「くそっ」

男子トイレの鏡の前で、俺は己の顔を睨みつけた

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