不機嫌なカレと秘密なつながり
俺は肺にある空気を吐き出すと、髪の毛の掻き毟った

「言えるわけないだろ。木から落ちるように、あの女が仕組んだ…なんて。あの日、木から落ちて、大けがを負うのは俺のはずだったんだ」

俺は枕を殴ると「くそっ」と呟いた

姫歌の身体に残る傷を作る原因をつくったのはあの女だ

俺がよく登る木を知っていて、足をひっかければ折れるように仕組んでいた

姫歌と遊んでいた俺が怪我をした…となれば、姫歌と俺の間に亀裂が入るとでも思っていたんだ

だが、実際に怪我をしたのは姫歌であって俺じゃなかった

許せるわけがない

あの女のしたことを、俺が許せるとでも思うのか?

「嵐のよっかーん」

保健室の電気をつけて、一条が俺のほうを見てにっこりと笑った

「聞こえてたのか?」

「まあ、たまたま保健室に湿布を取りに来たらね~」

「湿布なら部活の救急箱にあるだろ?」

一条が丸椅子をずるずると引きずりながら、俺の座っているベッドの横まで来た

< 78 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop