170回、好きだと言ったら。
眉を下げて笑う小野瀬さんに腕を貸せば、嬉しそうに掴んでくれた。
…何だろう、こういう距離が友達っていうものなんだ。
素直に嬉しいと思ってしまったあたしがいた―。
「せや、一階にペットショップあったやんな?
女って可愛いもんが好きなんやろ、行くで」
「……潤がどうしてモテないか、貴方達分かったでしょ?」
「はは…」
思わず苦笑すれば、潤さんは既に歩き出していた。
慌てて小野瀬さんと追いかけると、平日だというのに人でいっぱいだ。
ぎゅうぎゅうに押されながらも、潤さんの言うペットショップを目指していると―。
「きゃっ……!」
「小野瀬さんっ…、わっ!」
新設オープンしたというだけあって、ものの数分もしないうちに小野瀬さんとはぐれてしまった。
いつの間にか桃妃子さん達の姿も見えない。
サァア…と顔が真っ青になっていくのを感じながら、とりあえず人がいなさそうな場所を目指すと誰かがあたしの腕を掴んだ。