170回、好きだと言ったら。



知らぬ間に心臓がばくばくと鳴り響く。
それは小鳥遊さんと通話が終わった後も、ずっと警報が鳴り響いているように消えなかった。



「あっ! 沖宮さんっ……!」


憂鬱な気持ちで学校へ向かうと、校門のところに小野瀬さんが手を振って立っていた。
驚くあたしを置いて、小野瀬さんは心配そうにこちらへ駆け寄る。


「昨日休んだから心配で心配でっ…!
何があったか全部教えてよ、沖宮さん…」

「……小野瀬、さん」

「今日の一時限目と二時限目は修学旅行の班ごとで話し合いだから、その時ゆっくり聞かせてもらうよ」


真剣な眼差しを向けた小野瀬さんに、あたしはぎゅっと下唇を噛み締めた。


「…で、も小野瀬さんを巻き込みたくなんか…」

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