170回、好きだと言ったら。
そんなあたしを慰めるかのように、小野瀬さんの手のひらがあたしの背中を擦る。
「……そんな泣き腫らした顔で教室行けないだろうし、一時限目だけサボっちゃおう」
「えっ、お、小野瀬さん!?」
「えへへ、サボるっていうのも経験してみたかったんだ」
「……それ、経験しちゃ駄目なやつ…!」
すっかり涙が引っ込んでしまったあたしは、小野瀬さんの肩を掴むと、ふんわりと彼女は微笑んだ。
「沖宮さん、元通りだね…!」
「えっ、あ……」
「暗い顔してたらいいこともどこかへ行っちゃうよ?
だから、苦しいときはわたしの前では泣いていいよ。でも…苦しいからこそ笑うのは駄目だからね」
「……苦しいからこそ笑う」
「? 沖宮さん?」