私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
それが、いきなり夫が出来たなんて。えらい違いだ。
ああ、これは、本当に大変な事だ。あんなにハイスペックな夫なんて。
どこにも文句のつけようがない。
しかも、浮気しませんだなんて。頭の中どうなってんだ?
岩槻高陽のような男と夫婦になって、毎日一緒に暮らすだなんて。
初心者には、ハードルが高すぎる。
これは、マズい。
どうして、よく考えないで結婚なんかしちゃったのかな。
結婚するって、紙切れ一枚の事だけど。たった一枚の紙っ切れに、名前書くだけのことだけど。
想像してたことと違う。
書いたことによって、発生する事実は少なくない。
そんでもっって、高陽さんには、妻である私に夫婦生活を送らせてほしいって要求が出来るんだ。
妻なんだから、君を抱きたいって言えるってこと?
あの顔で言うのかな?
ベッドの中で、あの熱いまなざしで?
うぎゃー!
自分で妄想して赤くなってる。
一時的には、嫌だって言えるけど。ずっと嫌だなんて言えなくない?
だって、夫婦の営みを拒絶したら、何のために夫婦になったの?
彼は、そのうち思い通りにするだろう。
彼は、いつも自信に満ちてるし。
ということは、彼は私を抱こうと思えばいつでも抱けると思ってるんだ。