私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「妻としか寝ない」

なんて高陽さんが言うから、意識しまくってる。

全身をウサギの耳のようにして、彼の気配を察知しようとしてる。

カサッ。隣の部屋で音がする。

高陽さんが別の部屋に移動した。

壁を隔ててるから、姿が見えるわけではないけど。
隣の部屋から彼の足音一つに敏感に反応する。

隣の部屋で、彼が歩き回る気配がする。

見えないのに、何してるんだろうと彼の姿を想像してしまう。


スーツ着替えたのだろうか?

彼は寝るとき、何を着るのかな?

パジャマ?まさか。何も着ないとか。

だから何よっ。

バタンと寝室のドアが閉まって、足音がする。


隣の寝室から、人の気配が消えた。

リビングの方に行ったのかな。
階段を降りて行った気がする。

に高陽さんが部屋から出た。
どこかに行ったのは確かだ。

やっと、体の力が抜けた。

ふーッと息を吐いた。
どんだけ緊張してるの私。

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