私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「こんばんは」私は、ドアチェーンをかけたまま答える。
しばらくドアチェーンをかけたままお互い見つめ合った。
「中に入れてもらえるかな」
それは構わないんですけど。
高陽さんは、古ぼけたアパートにそぐわない高級なコートを着ている。
私は、部屋の行き届いてない掃除のおかげで、彼の取り扱い注意の高級なコートが、埃だらけになるのではと心配になる。
「えっと……入っていただくのは構わないのですが。お洋服が汚れてしまいそうですけど」
高陽さんは、寒そうにぶるっと震えた。
「着てるものの事なんかどうでもいい。寒いからドアを開けてくれ」
今日は、本当に冷えていた。彼も、コートの襟を立てて寒そうにしている。
追い返すのも理不尽な気分になって来た。
仕方なく「はい」と言う。
高陽さんは、失礼しますと言って部屋の中に入って来た。すれ違う時、少し表情が見えた。
笑ってないし、少し表情が厳しい感じがする。
こんな狭い空間に彼がいるだけで、相当の威圧感を感じる。部屋中が、彼でいっぱいな感じだ。
コートカシミアかな。まあ、百貨店のえらいさんだから、安っぽいコート着れる訳ないんだけど。
私の部屋は、古い建物だけど広さはILDKだ。なので寝室は別にある。
よかった。寝室を別にしておいて。見られてまずいの寝室に全部突っ込んである。