私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「えっと……美味しそうだね。あれ」

高陽さんがキッチンの鍋の方を見ていう。

「食べたことないなら、お口に合うかどうかわかりませんよ」

鍋の中身は見てないのだから、高陽さんが後悔しなければいいけど。




「誰かに食べさせるつもりで作ったのか?」

彼の顔の表情が、また厳しくなった。

「はあ?」

彼が気にしてたのは、思いもよらないことだった。

「だって、あんなにたくさん」

気にしていたのは、作った量の方らしい。

「何言ってるんですか。別に、あれくらい全部一人で食べますよ」

冷蔵庫で保存して、何日かに分けて食べますが。

「あれ、全部か?」

「もちろん」

「そうか……」

そうかじゃなくて。そこで止めないで何か言ってください。


手詰まりの感じ。まるで会話が、かみ合わない。

このままだと、私、ものすごい大食漢だと誤解されてないか?


高陽さんは、いったいこの女に何を聞いたらいいのだ?という顔をして困ってる。


困ってる前に、結婚した相手は、イタイ女と結婚して後悔してるのかな。なんて言ったらいいのか。


私は、高陽さんの前に、取り皿と炊きたてのご飯を目の前に置いた。

鍋敷きを置いて、ぐつぐつ煮えた鍋をテーブルに置く。

高陽さんは、何か珍しそうに鍋をのぞいている。

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