私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
ニコニコして、彼のことを見ていたからだろうか。
彼の手が止まり視線を上げると、ばっちり彼と目が合った。ほんわりと立ち上る湯気を見ながら、自然に視線が絡まる。
しばらく正面から見つめ合ってしまった。黙ってないで、何か言ってください。
私のこと見てないで、早く何か言ってください。
私は、いたたまれなくなって、言葉に詰まりながら言う。
「高級な上着に匂いが付いてはいけないですね」と
彼の襟もとに手をかけて、スーツの上着を脱がせなければと思った。
上着を脱がせようと、彼の首筋に触れてしまった。
我ながら、何て大胆なことをしてしまったのだと驚く。
私は、智也の上着をラックから取り出すと高陽さんに着せた。彼は、ありがとう、と言ったきり黙って私のされるままになっていた。
高陽さんは、上着を脱ぐとリラックスしてる。彼も、よく笑っていて、とてもいい時間だったと思う。この分だと、気持ちよく帰っていただけそうだ。
接待後のサラリーマンのよう。
私も、ほっと胸をなでおろした。
食器を片付けようとしていると、高陽さんに呼び止められた。