私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~




「奈央、いつまでそうしてるつもり?」


高陽さんは、すでにベッドでくつろいで雑誌を読んでいた。

部屋の感じは、壁紙を変え明るくなってる。

きれいになった部屋で、ゆったりとくつろぐセレブな夫。


その横で、どう見てもスーパーで買ったようにしか見えないパジャマで寝る私。

彼の横で寝る事さえ、場違いな気がする。

まったくこの男、何しても様になるところが嫌らしい。


「しげさん何時に寝るのかな」

私は、二人で寝るという事態に動揺してることを隠して言う。

ベッドを指さして、いったいこれどうするの?と尋ねる勇気はなかった。


「さあ、何時に寝るのか知らないけど。もう寝てると思うよ。今日みたいに帰りが遅いと、寝ないで待ってることもあるけど」

いくら元気に走り回っていたって、所詮70歳のお婆さんだ。

さっさと寝るに違いない。


高陽さんは、くつろぎモードでベッドの上に寝そべっている。

肌掛けをかけているから、寝るときに何を着ているのかよく見えないけど。

まさか。

何も着てないとか。

止めろ。私の妄想。

「私の荷物、クローゼットの中かな」赤くなりそうになって慌てて言う。

私は、高陽さんを通り越してベッドの先にあるクローゼットを見つめる。

「着替えるのか?」

「ええ」

みすぼらしいかも知れないけど。

一応新しいパジャマに。
< 95 / 173 >

この作品をシェア

pagetop