私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「奈央、いつまでそうしてるつもり?」
高陽さんは、すでにベッドでくつろいで雑誌を読んでいた。
部屋の感じは、壁紙を変え明るくなってる。
きれいになった部屋で、ゆったりとくつろぐセレブな夫。
その横で、どう見てもスーパーで買ったようにしか見えないパジャマで寝る私。
彼の横で寝る事さえ、場違いな気がする。
まったくこの男、何しても様になるところが嫌らしい。
「しげさん何時に寝るのかな」
私は、二人で寝るという事態に動揺してることを隠して言う。
ベッドを指さして、いったいこれどうするの?と尋ねる勇気はなかった。
「さあ、何時に寝るのか知らないけど。もう寝てると思うよ。今日みたいに帰りが遅いと、寝ないで待ってることもあるけど」
いくら元気に走り回っていたって、所詮70歳のお婆さんだ。
さっさと寝るに違いない。
高陽さんは、くつろぎモードでベッドの上に寝そべっている。
肌掛けをかけているから、寝るときに何を着ているのかよく見えないけど。
まさか。
何も着てないとか。
止めろ。私の妄想。
「私の荷物、クローゼットの中かな」赤くなりそうになって慌てて言う。
私は、高陽さんを通り越してベッドの先にあるクローゼットを見つめる。
「着替えるのか?」
「ええ」
みすぼらしいかも知れないけど。
一応新しいパジャマに。