私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
高陽さんは、読みかけのページを開いたまま、ベッドの上に雑誌を置きっぱなしにしてる。

彼が読んでいたページがちらっと見えた。

見開きでカラーの記事だ。

普通に本屋で売ってる本に見開きで写真が載るなんて、信じられない。

IWATUKIデパートが取材を受けて、高陽さんがインタビューを受けている記事だ。

高陽さんの全身が写ってる。

その記事の見出しに目が釘付けになった。

『独身のエグゼクティブ、できる男の一日』

独身!!ふん。

彼の横から手を伸ばし、雑誌を手に取って眺める。

何これ。何か引っかかる。

釈然としない。

記事はとても熱が入っていた。

取材したのは女性だろう。

彼の一日の行動が、しつこく順を追って写真付きで紹介されている。

私は、イライラを隠さずに言う。
「あなたって。外向けには、数少ない独身のエグゼクティブっていう触れ込みなの?」

「独身?そういえば、そう書かれてるな」
彼は、チラッと雑誌に目をやる。

「私って、なに?なたは、妻を持ったこと秘密にしてるの?
まさか、あなたの友達にも私と結婚してること、内緒?」

高陽さんが、きっと睨みを利かせた目でこっちを見た。

な、なによ。

睨みたいのはこっちじゃないの。
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