「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

「……飲んでも、ちっとも顔にも出ないのね?」

母が赤くなってきた顔を向ける。

「……酔えないんだ、少しも…」

グラスの中身を喉に流し込んで、呟く。

「……片意地張ってるからでしょ? 酔って、醜態を晒したくないとか」

「……酔っ払えばいいとでも言うのか…自分を見失う程……」

「……そういうのだって、時には大事って話よ…」

酒でわずかに掠れた声で言って、母はふっと笑い、

「……そう言えば、あの人もお酒には強かったから。あなたも、そんなところが似ちゃったのかしらね?」

口にするのに、

「あの人って……父のことなのか?」

と、訊き返した。

「…そうだ、話してあげるわね。あなたのお父さんのことを……」



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