「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
店の外に出ると、見計らったように、「近くにある"Queen"っていうバーにいるから」と、メッセージが入った。
店名を探して訪れると、バーカウンターに腰かけていた彼女が軽く手を挙げた。
「来てくれて、ありがとう」
「…いや、いい。あんなところで飲んでも酒は不味いだけだからな…。どこかで、飲み直したかったんだ」
ジンをロックで頼んで、グラスを合わせた。
「…ねぇ、さっきの話なんだけど……」
と、彼女が酔って潤んだ目を向ける。
「……少し、私に妬いてくれたと思っても、いいのかな…」
「……妬いた? 僕が…?」
釈然としないままで聞き返す。
「だって、無意識に体が動くなんて、嫉妬を感じてくれたからじゃないの……?」
「嫉妬……したのか? この僕が……」
他人事のように口にする。