うちの執事は魔王さま
峰岸は黙ったままの人体模型を喋らせるために強行突破とは名ばかりの蹴りを見舞ったのだ。
「な、なかなかの蹴り...でござる......いつしかの王を思い出す」
「あ、話した」
「姫、本題に」
「そうね」
てか、王って誰よ。
そんな事を思いながら、ルナは本題へと踏み込む。
「なんで、あなたは人を殺そうとしたの?」
ルナは真っ直ぐプラスチックの筋肉と骨を見つめる。
「別に殺そうとしたわけじゃないのでござる。実を言うと我の話を聞いて欲しかっただけなのでござる」
自分は本当は『魔界』と言う場所にいたがある日、
人間界と結びつく扉が暴走し何人かがこの世界に引き込まれてしまい、
気がつけば人体模型の体に入っていて抜けようとしても抜けられなくなり、
誰かに助けを求めようと話しかければ恐れられ、逃げられ、
まともに相手にしてくれなかった。
そして、自分はいつしかこの学校の七不思議の一つとして生きていた。
そんな中、自分の元へやってきたのがルナ達だったのだ。