うちの執事は魔王さま
「何アホ面晒してるんですか。アホ面の主を雇った覚えなんてないんですが」


「 さらりと真顔で言った...」


「えぇ。『面等向かって言う』お約束ですからね」


そう言うと峰岸は厭な笑みを浮かべた。



ルナはその笑みを少し懐かしく思えた。


「さあ、姫。少し目を瞑っていて下さい。目、途中で開けてみてください。ぶっ殺しますよ?」



「私...一応...あんたの主よね...?....なんか悲しくなってきた...」


ルナは言われた通り目を瞑っていた。



今日は私の誕生日。


17歳になった。


世間で言う『華のセブンティーン』。


なのに、こんな怪事件に私は襲われているのだろうか。


何故、執事に暴言を吐かれなくてはならないのだろうか。


どうやら、私の誕生日の今日は厄日だったらしい。



「姫、もう目を開けて大丈夫ですよ」



ふと、執事の声が耳に入った。


ルナはゆっくりと閉じていた瞼を重力に逆らうように上へとあげる。


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