『誰にも言うなよ?』



「そういうわけには……」

「それじゃ、また食わせてよ」

「へ……?」

「素子の弁当」


そ、そんなのでいいの?


「俺は金返ってくるよりそっちの方が嬉しい」

「……ほんと?」

「ああ」


そんなわたし達のやりとりを見ていた店員が「初々しいねぇ。高校生カップル」と、はにかんだ。


わたし達って他人から見れば、ちゃんとカップルに見えているんだなぁ。


フリしてるわたしが一番自覚ないかもしれない。


チラリと青山くんを見ると視線がぶつかり無性に照れくさくなって、目をそらした。


「んー、これ、故意にやられちゃった可能性もあるねぇ」

「え?」

「なにか踏んずけたっていうよりは、カッターかなにかでスパッと切られたような形跡があるから」


お兄さんのそんな言葉を聞いて真っ先に思い浮かぶのは愛美たちの顔。


最近大人しいと思ったら、こんなことしたっていうの?

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