『誰にも言うなよ?』
(消毒……?)
「会長とのキス忘れるくらい上書きしてあげたい」
「っ、」
レオの大胆すぎる発言に体温が上昇する。
「してもいい?」
「だ、ダメ……!」
「カミヤとしたいから?」
「そんなこと、聞かないで」
「ボクじゃダメなんだね」
「…………」
お願いだから、そんな、落ち込んだ子犬みたいな顔を向けないで。
「あー、モトコの唇を奪ったアイツころしたい」
(レオがわたしより怒ってどうするの……!)
「バーカ。それは俺の台詞だろうが」
と、突然雅人が口を開いた。
「……聞いていたの?」
「途中からな」
「…………」
「レオも昔、モトコにしただろ。自分のことは棚にあげるつもりか?」
「ボクのは愛が入っていたからね」
「一方的という意味ではおんなじだ。それに、会長からのキスに愛情が含まれていないかどうかなんて、そんなの俺たちにはわからないだろ」
(は……?)
「青山くんは、会長がモトコのこと好きだと思ってるの?」