『誰にも言うなよ?』


(消毒……?)


「会長とのキス忘れるくらい上書きしてあげたい」

「っ、」


レオの大胆すぎる発言に体温が上昇する。


「してもいい?」

「だ、ダメ……!」

「カミヤとしたいから?」

「そんなこと、聞かないで」

「ボクじゃダメなんだね」

「…………」


お願いだから、そんな、落ち込んだ子犬みたいな顔を向けないで。


「あー、モトコの唇を奪ったアイツころしたい」


(レオがわたしより怒ってどうするの……!)


「バーカ。それは俺の台詞だろうが」


と、突然雅人が口を開いた。


「……聞いていたの?」

「途中からな」

「…………」

「レオも昔、モトコにしただろ。自分のことは棚にあげるつもりか?」

「ボクのは愛が入っていたからね」

「一方的という意味ではおんなじだ。それに、会長からのキスに愛情が含まれていないかどうかなんて、そんなの俺たちにはわからないだろ」


(は……?)


「青山くんは、会長がモトコのこと好きだと思ってるの?」
 
< 450 / 540 >

この作品をシェア

pagetop