fantasista
ふらふらと歩き、戸崎の隣に腰かける。
わざと隙間を空けて。
そんなあたしに手を伸ばし……
戸崎はあたしを抱き寄せる。
湿布の匂いと戸崎の香りに包まれて、頭が沸騰してしまいそう。
近寄ってはいけない、そう思うのに、あたしを呼ぶ戸崎の言葉には抗えないのだ。
「お前さ、やっぱり俺を避けてるな」
耳に心地よく響く、その甘い声。
身体中がきゅんきゅん煩い。
「絶対離さねぇって言ってるだろ」