fantasista




「やっぱり戸崎が許せなくて。

でも、こんなことをしてしまうあたしが一番最低だよね」



自虐的に言うあたしに、



「山形の気持ち、すごくよく分かるから」



竹中君は同情してくれる。





こんな優しい竹中君を利用してはいけない。

でも、今日あたしは悪女になる。

竹中君と寝て自分が許せなかったら……

それこそ戸崎と別れよう。




……別れる?

戸崎の笑顔を思い出して、泣きそうになった。


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