fantasista







食事を済ませ、レストランを出る。

この先のことを考えて震えるあたし。

今日はやめてはいけない。

あの禍々しい記憶が蘇っても、耐えないといけない。

出来れば初めては、戸崎にあげたかった。







「山形、大丈夫だから」




竹中君は優しくあたしの背に手を添える。

戸崎以外の男性に触れられただけで、泣きたくなった。

あたしはこうも戸崎が好きなのに、なんてことをしているんだろう。


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