fantasista








あたしをこうも狂わせるのは、戸崎しかいない。

手を繋ぐだけなのに、胸がきゅんきゅんうるさい。

身体の熱が消えない。

もっと戸崎に触れたい。

戸崎が大好きだ。




でも……

やっぱり気になってしまう。

竹中君とのこと、戸崎はどう思っているんだろう。






「今日のデートは楽しいぞ。

覚悟してろよ!」




戸崎は上機嫌であたしの手を引いて歩き出した。

そんな戸崎に、ただ困惑するばかりだった。



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