fantasista





戸崎は冗談みたいに話すが……

やっぱりズキンとする。

チャラいのはあたしだ。

あたしは戸崎を……





あたしの思考は、戸崎の言葉で遮られる。





「もう、肉いらねぇか?

どんどん食べてまるまる太れ」




相変わらず失礼な戸崎だが……こんな言葉にすら助けられる。





今日の戸崎はいつもの戸崎なんだけど、どこか少しおかしい。

あたしが何も考えないように、奴らしくないマシンガントークを繰り広げられる。

そんな戸崎を思うと、やっぱり胸が痛くなるのだった。





「じゃあ、今日の最後な」




焼肉店を出ると、戸崎はまたまたあたしの手を引いた。



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