好きだから……
「おい、何がどうして『3バカ野郎』になんだよ」
「馬鹿で、鈍感で、どうしようもないからだ」
「馬鹿で鈍感って、2つしかねえだろ!」
「もう一つは、絢のマフィンを食ってトイレにいったことだ」
「……いや、あれは。行くだろ、普通」
「俺は食った」
「ハイハイ」
俺は椅子の背もたれに、背中をつけると「ヤキモチやきめ」と心の中でぼやいた。
「みどりはいいヤツだ。絢や千里と同じように、素直でカワイイヤツなんだよ、本来ならな。ただ親と兄弟からの重圧で、息苦しくてドロドロしてるだけ。それを真っさらにしてくれんのは、正直、美島だけだと思った」
「馬鹿か。それはお前だろ」
「は?」
「やっぱ3バカ野郎だな、お前。俺だったら、いつまでたっても青田の目の上のたんこぶでしかない。越えられないライバルで、青田を苦しめてる親や兄弟と変わらない存在。お前は違うだろ。俺より成績いいくせに、さっさと土俵からおりて、みどりに席を譲った。俺にはそこまでの度量はない。成績の順位にこだわりはしないが、手を抜くなんてことはしない」
美島がフッと微笑んだ。
何か思うところがあるのだろうか?
「みどりに席を譲ったわけじゃねえし。美島より頭は良くない。金を稼ぐのに忙しくて、勉強している時間がないだけ」
「俺が知らないとでも? 入試で1位だったのは、松平だろ。お前が新入生代表で読めば、青田の立場がなくなる……で、学校側に行って代表の座から身をひいた」
「そしたら、お前が読んでてびびったけどな」
俺と美島で、目を合わせるとお互いに「ふっ」と笑った。
「参ったな、美島にはバレてたのかよ」
「俺は、頭はいいからな」
「性格は最悪だけどな」
「ああ?」
「あ、顔もいいから、性格は悪くてもカバーできんのか。幸い絢っていう天使がお前を気に入ってくれてるんもんな」
「馬鹿で、鈍感で、どうしようもないからだ」
「馬鹿で鈍感って、2つしかねえだろ!」
「もう一つは、絢のマフィンを食ってトイレにいったことだ」
「……いや、あれは。行くだろ、普通」
「俺は食った」
「ハイハイ」
俺は椅子の背もたれに、背中をつけると「ヤキモチやきめ」と心の中でぼやいた。
「みどりはいいヤツだ。絢や千里と同じように、素直でカワイイヤツなんだよ、本来ならな。ただ親と兄弟からの重圧で、息苦しくてドロドロしてるだけ。それを真っさらにしてくれんのは、正直、美島だけだと思った」
「馬鹿か。それはお前だろ」
「は?」
「やっぱ3バカ野郎だな、お前。俺だったら、いつまでたっても青田の目の上のたんこぶでしかない。越えられないライバルで、青田を苦しめてる親や兄弟と変わらない存在。お前は違うだろ。俺より成績いいくせに、さっさと土俵からおりて、みどりに席を譲った。俺にはそこまでの度量はない。成績の順位にこだわりはしないが、手を抜くなんてことはしない」
美島がフッと微笑んだ。
何か思うところがあるのだろうか?
「みどりに席を譲ったわけじゃねえし。美島より頭は良くない。金を稼ぐのに忙しくて、勉強している時間がないだけ」
「俺が知らないとでも? 入試で1位だったのは、松平だろ。お前が新入生代表で読めば、青田の立場がなくなる……で、学校側に行って代表の座から身をひいた」
「そしたら、お前が読んでてびびったけどな」
俺と美島で、目を合わせるとお互いに「ふっ」と笑った。
「参ったな、美島にはバレてたのかよ」
「俺は、頭はいいからな」
「性格は最悪だけどな」
「ああ?」
「あ、顔もいいから、性格は悪くてもカバーできんのか。幸い絢っていう天使がお前を気に入ってくれてるんもんな」