溺愛CEOといきなり新婚生活!?
彼は車の運転があるから烏龍茶を頼み、私はグラスシャンパンにした。
「今日は、大切な話があるんだ」
「……はい」
次第に夕焼けに染まっていく六月下旬の空。梅雨時にもかかわらず、運よく晴れてよかったと思う。東京タワーのふもとまではっきりと見えるこの席は、どんなに綺麗な夜景が見れるのかと楽しみだ。
それに、雅哉さんの表情がいつになく凛々しくて、今夜は待ち望んでいた話が聞けると期待してしまう。
こんなに素敵な夜が迎えられるなら、彼の言うことを聞いてサンプリングマリッジをしてよかった。
まだ一ヶ月あるけれど、今夜を境に私の望みが通るかもしれない。
永井さんとの生活は嫌ではない。庶民の私では手の届かない豪華な時間を共にしてくれるし、とても優しくしてくれる。
でも、私の望む恋の行先が目の前にあるなら、そちらへ進みたくなるのが普通だと思うから……。