溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「こんばんは」
今朝、顔を合わせていないとはいえ、外で会うと遠い存在に感じる。
「……こんばんは」
他人行儀に挨拶をされて、つられてしまった。
永井さんが赤ワインの入ったグラスを片手に、私の隣へやってきたのだ。
「小泉先輩の声が私の席まで少し聞こえたので、ご挨拶を」
「今日は永井社長もデートですか?」
「いいえ、取引先のご子息の結婚披露パーティーが下階のレストランであったんです。こちらで飲み直しに来たところですよ」
「そうですか、素敵な夜をお過ごしください」
雅哉さんは態度を一変して柔和な表情を浮かべ、鳳凰堂の専務らしい言葉遣いで話す。