溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「あんな集まりに行くくらいなら、俺を誘ってよ」
「……永井さん、忙しいじゃないですか」
「花澄のためなら、いくらでも時間を作るよ」

 永井さんの想いは、本当にまっすぐだ。痛いほどにぶつかってきて、私の胸の奥を叩く。


「そんなに優しくしないでください」

 言うつもりのない溜まっていた思いが湧いてきて、涙混じりの声になる。


「私、今の自分が嫌いなんです。だから、知らない人と話したら、変わるきっかけがあるかもしれないと思ったんです」
「うん」

 合コンに行った経緯を話しても仕方ないのに止められない。永井さんも適当に流すことなく耳を傾けてくれているから、甘えたくなった。


「でも、何も変わらなかったし、もっと自分が嫌になるだけだったかもしれない」

 お酒のせいで感情的になっている私の話でさえ、永井さんは嫌な顔をせずに聞こうとしてくれる。
 私のことを知ろうとしてくれる姿勢が嬉しくて、また胸の奥がギュッと苦しくなった。


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