溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「雅哉さんには、奥さんがいて。お子さんもいて……生まれてくる赤ちゃんもいた。週末に連絡が取れないのはどうしてだろうって疑問に思っても、自分の気持ちを信じてたんです。周りに関係を言わないように口止めされてても、彼の言い分が普通なんだって思ってた。でも、私は天秤にもかけてもらえてなかったんだって知ったら、悔しくて……」
大粒の涙がとめどなく溢れてはこぼれ、拭っても拭っても止まらない。
永井さんはベッドに座る私の隣に腰かけ、何も言わずに聞いていてくれる。
「家族っていう、絶対に崩すつもりのないものを持っていると知ったあの時……すごく悔しくて。こんなに好きだったのに、大切にしてもらえてるって思えてたのに……」
「そっか」
否定も肯定もせず、ただひたすら酔った勢いで本音を漏らす私の泣き言を聞く永井さんは、私の背中に手のひらを当ててくれている。その温もりが、余計に涙を誘った。