溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「今夜は、花澄を放っておけない」

 脈が大きく、跳ねるように鳴る。静まってほしいのに、永井さんに聞こえてしまいそうなほどの大音量だ。


「こういう時くらい、守ってあげたい」

 もう一度抱きしめ直されて、永井さんの香りに包まれる。
 まるで夜から隠すように、彼は腕の中に優しく強く、私を閉じ込めた。


「そんな恋に、運命を感じないで。俺ともっと一緒にいてよ」



 少しすると酔いも覚め、先に寝支度を整えて自室に戻った。
 永井さんも後からシャワーを浴びて、携帯とミネラルウォーターを手に、私の部屋にやってきた。


「いい?」

 戸惑いつつも頷くと、彼はそっとドアを閉め、ベッドに腰掛けている私の隣に座った。


「ちょっとは落ち着いた?」
「はい。すみませんでした」
「俺でよければ、いつでも話くらい聞くよ」

 彼はペットボトルの栓を開けて飲み、ふぅっと息をついた。


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