溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「花澄の笑顔、すごく好き。かわいくて癒される」

 そんなことを急に言われて、心臓が大きく飛び跳ねて鼓動を鳴らす。そして、改めて最近ろくに笑えていなかったと気付かされた。

 落とされる影が次第に大きくなって、大接近した永井さんの顔が視界を埋め尽くす。
 精悍で整った完璧な顔立ちは切なそうで……私まで胸の奥が締め付けられて苦しくなりそう。

 突然、おでこにキスをされ、自然と見開いてしまった私の瞳は驚きの色に変わる。

「これくらいでびっくりしないでよ。何もできなくなる」

 繋ぎ直された指は深く絡み、温もりが混じりあう。
 何もできなくなるって、もう何かしちゃってるじゃない!!

 でも、永井さんにこんなふうに迫られても、嫌な気持ちにはならない。他の人にされたら間違いなく嫌悪感を抱くはずなのにな……。


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