溺愛CEOといきなり新婚生活!?
キッチンに立って、ひとり分のオムレツを作った。
食べ終えて片付けてから冷蔵庫の食材を思い出し、夕食のメニューを考える。永井さんが帰ってきても食べられるようにした方がいいかと、ビーフシチューに決めた。
栞を挟んでいたミステリー小説を読み進め、ネットでほしかったピアスを買ったりしていたら、あっという間に日は暮れて、十九時を過ぎていた。
ビーフシチューに火を入れ直して器に注ぎ、グリーンサラダと手作りのオニオンドレッシングをかけてテーブルに並べる。
ひとりの食卓は慣れていたはずなのに、永井さんと暮らすようになったせいか寂しいと思うようになった。
どんなことでもいいから話して、作った食事を褒めてもらえて……何気ない出来事が積み重なって、思い出になっているからだと思う。
携帯を見ても連絡はない。仕事が立て込んでいるのだろう。
帰りに連絡すると言っていたから大人しく待てばいいだけなのに、何度も携帯を確認してしまった。