溺愛CEOといきなり新婚生活!?
まぶたを下ろそうとすると前触れなく携帯が鳴って、確認すると永井さんからの着信画面に切り替わり、眩しく光っている。
《遅くなっててごめん。今日は何してたの?》
「のんびりしてました。本を読んだりして」
《俺のことは考えてくれた?》
「…………」
事あるごとに永井さんのことを考えてたなんて、口が滑っても言えない。だって、まだ失恋したばかりだし、自分の気持ちもわからないのだから。
《昨日のキス、思い出さなかった?》
「っ!!……そんなこと聞いてどうするんですか」
《今日もキスしたいって思ってるから。もう少ししたら帰るつもりだけど、花澄はゆっくり眠ってて。おやすみ》
一、二分話しただけで、耳の先まで熱くなってしまった。今日もキスをしたいなんて……。
それに、メッセージを送ってすぐに電話をくれたのが嬉しい。
ベッドの中で胸の疼きで悶えるように転がり、穏やかな気持ちで寝付いた。