溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 七月になると、朝から蒸し暑い。
 目が覚めて時間を確認しようと寝返りを打ったところで、一気に覚醒した。

 永井さんがどういうわけか私の隣で眠っている。
 深く眠っているのか、私の寝返りにも反応せず穏やかだ。

 女の私でさえ羨んでしまいそうな整った寝顔は、カーテンから漏れる朝日を薄く纏っていて、とても綺麗。緩く閉じられた唇に、荒れのない肌、セットされていない髪は自然に流れていて……。

 見惚れてる場合じゃなかった。この前は二度寝をして寝坊する失態だったのだ。
 そっと手を伸ばし、彼の携帯と並べ置かれた自分の携帯を掴む。
 どうしても彼の上に半身が覆い被さるような体勢になってしまい、起こさないように気を使った。


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