溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 本棚に背をつけた私を、彼は見下ろす。
 今までとは違う様子に、どれほど怒っているのか目に見えて感じる。


「ここで何してたの?」

 彼は私の両手を抑えつけ、冷静な視線で問いただす。

 目的があって、こっそり探るつもりはなかった。
 でも、ふと目に留まったアルバムに指をかけてしまった。
 どうして彼の部屋に入ったのかと考えれば、寂しかったからだ。一緒に過ごしたかったのに、素直になれなかったせいでこんなことに……。


「永井さんが、出かけちゃったから」
「……俺?」
「楽しみにしてたけど、ちょっと嫌なことがあって、それであんなことを言ってしまって……」

 嫌われてしまっても、これはサンプリングマリッジの間だけの関係だ。
 それに、雅哉さんとは別れたんだから、誰かのために参加する必要もない。気まずくなったなら逃げだしたって許されるかもしれない。


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