溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 共用部のない最上階は誰ともすれ違うことなく、上がってくるエレベーターの到着を待つ。


「今日は、とっておきの店に連れて行こうと思ってるから」
「どこに行くんですか?」
「着いてからのお楽しみ」

 駐車場に行くものだと思っていたのに、エントランス階でエレベーターを降り、壁に滝が流れる豪勢なロビーを通って外に出た。

 目の前の車寄せに真っ白なリムジンが停まっていて目が奪われた。一度、街で見かけたことがあるくらいで、私には縁のない乗り物だろう。


「社長、おはようございます」

 声を掛けられた彼は、私の手を取って近づいていく。驚きが声にもならず、私は連れられるままにリムジンの前まで来てしまった。


「おはよう。今日は長くなるけどよろしく頼みます」
「本日も何なりとお申し付けくださいませ」

 秘書の九条さんと同等に畏まった対応の運転手にエスコートされ、永井さんと私はリムジンに乗り込んだ。


< 176 / 378 >

この作品をシェア

pagetop