溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 渋谷駅前の信号で停車すると、スクランブル交差点を行き交う人々の視線が集まる。
 後部座席の中は見えないけれど、それでも女性たちは羨望の視線で足を止め、恋人同士は一瞬だけ見るものの、すぐに二人の世界に戻っていく。隣に停まった車の運転手は物珍しそうに見つめてくる。


「面白いよね、人の視線って。高価なものを見ると羨んだ顔をするんだ。欲しそうな顔をしてね」
「それはそうだと思います。永井さんのような生活ができる人なんて、ほんの一握りですから」
「俺が言いたいのは、そういう欲と向き合わずに羨んでばかりで、手に入らないと諦めてしまうような人には興味を持てないってこと。花澄は小泉先輩に一生懸命だったでしょ? 気持ちが通じてるのに、もっと好きになってもらいたいし、自分だけを愛してほしいって頑張ってた」
「……はい」

 雅哉さんにとっては重苦しかったみたいだけど……私の恋愛観が間違っているのかなって思ったら、次の恋に臆病になるんだ。


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