溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「就活も何とか上手くいって、ATSに入社して……ある日雅哉さんと出会って」
「その先は言わなくていいよ」
楽しそうに聞いていた永井さんが、ふと口を挟んできた。
「小泉先輩と花澄の話は、あまり聞きたくない」
私だって、永井さんと七瀬さんの話はあまり聞きたくなかった。でも、興味を持ってしまったら知りたくなって、そのためには通らざるを得ない道というか。
永井さんは、私の過去を知りたくないのかな。互いを知るためにこうしているはずなのに。
「でも、俺を妬かせたいなら、どうぞ」
切なそうに笑う彼は、ワイングラスを軽く揺らしている。
「雅哉さんは、こんなデートをしてくれたことはありません」
妬かせたいかどうかは分からない。でも、自分を知ってほしいとは思う。
彼と一瞬目が合っただけでドキッとする。アンバーの室内照明が瞳を濡らすように光っているせいで、永井さんがいつにも増して色っぽいのだ。