溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「行きつけのお店があって、そこで大半のデートは食事をして……予約しなくても泊まれるシティホテルか、私の部屋に泊まって……。でも週末はあまり連絡も取れなかったし、夏と冬の長期休暇のタイミングも合わなくて。今となってはそういうことだったのかって、カラクリを見せられたような気分です」
思い出して切なくなる期間は過ぎて、時間とともにいい思い出だけが残っていく。永井さんといる時間が多くなった今は、終わった恋の残骸を懐かしむ余裕さえできた。
「俺も、会社の部屋に女の子を連れ込んだのは初めてだったよ。会社のリムジンに乗せたのも、七瀬に会わせたのもね」
永井さんにも初めてのことがあったのかと、一層親近感がわく。九条さんを迎えによこしたのも慣れたように感じていたから意外だった。
「それから、奪いたいって衝動に駆られたのも……」
真紅のワインを飲み進める彼の横顔に見惚れてしまう。私の視線に気づいた彼は、ゆったりと微笑んで私の髪を撫でた。