溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 彼は腕時計を集めるのが趣味らしい。庶民の私には手の届かないブランドから、名前も知らなかった超一流のものまである。前に見た時、読み方がわからなくて教えてもらったくらいだ。
 今日着けているものはスケルトンになっていて、時計の作りが透けて見えている。
 その隣には携帯が二台。一つは私と番号を交換したプライベート用で、もう一方は仕事用だと言っていた。


 自分では泊まれない部屋の中を見て回り、ホテルのスタッフが持ってきたハンガーラックの前に立ち、ひとつひとつ眺めてみる。どれもこれもかわいい洋服ばかりだ。値札はついていないけれど、ブランドのタグは有名どころと分かる。


 十五分ほどするとバスローブを着た永井さんが戻ってきて、覗く胸元に視線が泳いでしまった。


「これ、本当に使っていいんですか?」
「もちろん。花澄のために頼んだから使って」

 備え付けの冷蔵庫から満月のように丸い氷をロックグラスに入れて、ウイスキーボトルを手に彼がソファに座った。
 私はずっと使ってみたかった憧れブランドのスキンケアを手に、部屋の片隅にあるドレッサーの椅子に腰かけた。


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