溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「先輩が既婚だって花澄に知られないようにしたかったんだけどね……上手くいかなかったなぁ。それなら誰も傷つかずに、俺が悪者になれば済む」
「……悪者なんかじゃないです」
「いいんだよ、悪者で。奪おうとしてたのは間違いないし、付き合う前からキスしてたんだから。恋愛はそんなに綺麗なことばかりじゃないって、分かってたしね」
真実を聞いてホッとしたら、なんだか涙が止まらなくなる。
そんな私を見て、彼はハンカチを差し出してくれた。
「悩ませてごめんね。ホッとした?」
私が頷くと、永井さんも胸を撫で下ろした表情を見せた。
「それから、永井さんのことが好きすぎて……泣くつもりないんですけど」
私も本心を漏らしたら、永井さんはとても嬉しそうに笑ってくれた。