溺愛CEOといきなり新婚生活!?
遮るもののない六十階の一室。
茹だるような暑さの真夏の夜、たった三ヶ月で恋をした永井さんに抱かれ、視界が何度も揺れ続ける。
「あぁ……もう、本当に好き。大好きだよ、花澄」
吐息混じりに呟く彼の声は私の耳元をくすぐり、与えられる愛で身悶える私の声と一緒に、甘さと艶に満ちた部屋の空気と混ざり合った。
すっかり夜が更けて、あんなにたくさんあった街のネオンが少なくなっている。東京タワーの明かりが煌々と輝き、その向こうでスカイツリーが夏の空に突き刺さるように輝いていた。
「喉、乾いたかと思って」
「ありがとう」
永井さんに心の奥底まで愛され尽くした後、ベッドに座って胸元までタオルケットを引き上げ、窓の外を眺めていると、彼がジャスミンティーを持ってきてくれた。
「明日は銀座あたりに行こうか」
「いいですよ」
彼の行くところは、いつも高級で気合が必要だ。
どこに行くにしても、品のある服装で出かけようと決めた。