溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 待たせていたリムジンに乗り込んで、彼は運転手に車を出すように告げた。永井さんにすぐ着くと言われて、ウィンドウからの街並みを眺める。
 土曜の銀座はたくさんの人がいて、都内だけでももっとたくさんの人が生活をしていて……サンプリングマリッジがなかったら、絶対に永井さんとは知り合わなかっただろうなぁ。


「花澄のこと以外、考えられなくなりそうだな」
「……私も、永井さんのことばかり考えてますよ」

 どちらからともなく笑みがこぼれ、触れるだけのキスをした。


 初めて訪れるマンションの前にリムジンが停まった。
 先に降りた永井さんは、慣れた様子でマンションの周りを歩いていて、小走りで追いかけた。


「どなたかお知り合いの方でもいるんですか?」
「そうじゃないよ」

 私の問いかけに返事をしつつ、彼は念入りに敷地内の植え込みや建物の外観を見続けている。


「サンプリングマリッジが終わったら、俺が住む家」

 そういえば、今の家から引っ越すための仮住まいを兼ねて、サンプリングマリッジに参加してるって言ってたっけ……。


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