溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 両手の泡を洗い流され、丁寧に手を拭ってくれる。
 私は熱に浮かされたようにぼんやりとしてしまって、すっかり彼のなすがままになってしまった。


「キスしてあげたんだから、話して」
「……交換条件みたい」
「そうだよ」

 彼はいたずらっ子のように笑って、私をリビングのソファに導いた。



「聞いていいのかわからなくて、考えてたんですけど……」
「うん」
「今日見たマンション、引き渡しはいつですか?」
「サンプリングマリッジが終わって一週間後だよ。その間は、元の家から引越しの準備をするつもり」

 そうですか……と力なく答えれば、彼はまた私の顔を覗き込んでくる。


「永井さんが一人で住むって決めてるなら、文句は言いません」
「何を言うかと思えば……」

 まったく、と言って彼は小さくため息をついた。

 やっぱり言うんじゃなかった。
 そんなわがままを言われても、いくら優しい彼だって困るだろうな。


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