溺愛CEOといきなり新婚生活!?
玄関も出て、三分ほど経ってから戻った。
なんでこんな小芝居をしなくてはいけないのかと腑に落ちないが、社長と花澄さんが幸せならそれでいいとも思える。
リビングのドアをゆっくり開けると、TVの音だけが聞こえてくる。
お二人の話し声はいつの間にか止んでいて、もしかしたら驚かされるのかもしれないと予感し、そっと足を進めた。
――っ!! なんたる!!
私がいなくなったのをいいことにキッチンで……せ、接吻をっ!?
「……んっ、ダメですよ、海都さん」
「お腹空いたから」
「私は食べられません」
「後で美味しくいただくけど?」
そういうお話は、客人のいない時になさってください!!
「――そうですか。かしこまりました。それでは明日お送りいたします」
自分の存在を知らせるため、リビングのドアを思い切り開けて話しながら戻ってきたように装う。
こんなに気を使わなくてはいけないなら、もうお暇しようか。