溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「おはようございます」
「……!! お、おはようございます!」

 ぐっすり眠ってしまい、お二人よりも先に起きるはずが寝坊してしまったと、瞬時に理解して慌てて上体を起こす。


「花澄さん、社長はもう起きていらっしゃいますか?」
「まだですよ。海都さんは、お疲れのようで……朝食ができたら起こすように言われています」
「そうですか。社長はいつもお忙しくされていますから、こういう日くらいはゆっくりとした朝を差し上げましょう」

 ――こういう日くらいはね。
 昨日の夜、どれだけ彼女を求めたのかは一目瞭然。

 おそらく本人は目視できない、うなじに近い首筋に愛の印がふたつ。

『俺のもの』
『俺が幸せにする』

 社長の独占欲と愛情と……心に決めた強い想いが見えるようだ。


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