溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「九条さんも、私と同じくらいに起きていたことにしましょう」
「……ありがとうございます。お気遣いばかりいただいてしまって申し訳ございません」
「昨日は私のわがままに付き合っていただいたので、こちらこそありがとうございます」

 リビングに出てから、すぐに洗面室をお借りして身支度を整える。
 スーツだけは昨日と同じものだけど、社に行けば予備の一着があるから困ることはないだろう。


「花澄さんも、今日は乗って行かれますか?」
「私はいつも通り電車で通勤します」
「かしこまりました。それでしたら、髪は下ろされたほうがいいかもしれませんね。社長もそう仰ると思います」
「……でも、今日は暑いので」

 綺麗な白に細いネイビーの縦縞。ワンピースがお好きなのか、彼女の雰囲気によく合っている。
 それに合わせたポニーテールだとは思っていたが、愛の印がはっきり見えるのは彼女が困るだけだろう。


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